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2009年02月08日(日) 00時01分

景気法案71兆円台に圧縮 米上院合意、10日採決へ中国新聞

 【ワシントン7日共同】大型景気対策法案を審議している米上院の民主党議員と共和党の一部議員は六日、対策の規模を九千億ドル以上から七千八百億ドル(約七十一兆八千億円)に大幅圧縮することで合意に達した。民主党のリード院内総務は七日未明、法案の採決を十日に行うことを提案、了承された。

 可決されれば、下院を通過した法案と一本化した上で、オバマ大統領の署名を経て成立する。最終的に対策規模は、下院の法案の八千百九十億ドルに近づく可能性もある。

 ギブズ大統領報道官は六日、「協議が前進し、数百万人の雇用創出実現に近づいたことを歓迎する」との声明を発表。景気対策を最優先課題としてきた大統領は、十六日までの成立を目指す。

 対策には中低所得層を対象とする所得税減税、住宅や自動車の取得者への減税、道路や橋の建設、太陽光発電の普及支援などを盛り込んだ。

 共和党が歳出の膨張に懸念を示し、減税を重視するよう求めたため、当初の法案から教育、医療などの予算を減額。ケリー上院議員(民主党)によると、対策の42%が減税、残り58%が公共事業など財政支出となり、減税の比重が高まった。

 上院の審議の過程で、住宅減税を追加するなどの修正があり、対策の規模は一時、九千三百七十億ドルにまで増加、共和党の反発が強まった。

 法案を速やかに可決するには共和党からも賛成票を確保する必要があるため、オバマ大統領は規模を八千億ドル程度に抑えて妥協を図る考えを表明。共和党の穏健派議員を取り込み、修正協議を重ねていた。

 民主党は直ちに採決に持ち込む構えで、七日未明まで本会議を続けたが、共和党が合意内容の詳細を検討していないと反発し、阻止した。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200902070311.html