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2009年02月07日(土) 19時39分

本音は安定志向?社会人採用の競争率100倍超 大阪府箕面市産経新聞

 行財政改革に民間企業出身者のセンスを取り入れようと、大阪府箕面市は7日、社会人採用試験の1次面接を実施した。厳しさを増す雇用情勢を背景に、3人の採用枠に320人の応募が殺到し、競争率は100倍超の難関に。景気の見通しが不透明な中、身分が安定した公務員の人気は高まる一方だ。

 今回の応募資格は45歳以下で5年以上の民間企業経験者。広島、愛知や東京などからも応募があり、書類選考を通過した44人がこの日の1次面接で1対1の面接を8回受けた。中には立案した政策の企画書を面接官に手渡し、熱意をアピールする受験者も見られた。

 面接後、医療品メーカー勤務の男性(39)は「公立病院での仕事を通じて行政のムダを感じた。経験を生かして入札効率化などに取り組みたい」。食品企業に勤める男性(29)は「仕事内容が生活に密着しているのが魅力。知人の公務員から『思われているより激務だ』と聞くが、今の職場より世の中のために働ける」と期待を語った。

 一方、保険外交員の女性(42)は「今は営業成績で給料が決まり、毎月のアップダウンが激しいので…」と安定志向の本音も。

 最終面接は15日に行われ、今月中に合格発表がある。倉田哲郎市長は「想像以上の応募があった。計9回の面接でしっかり適性を見極めたい」と話した。

 平成21年度採用の社会人募集をめぐっては各地でも希望者が殺到している。

 公務員や資格受験の専門学校「大原学園」(本部・東京都千代田区)吉村剛一・企画広報課長は「公務員の社会人採用が増えるにつれ、本校で受講する会社員の姿が増えてきた。昨秋以降、問い合わせが前年の3割増しのペースで延びている。雇用情勢の悪化の影響だろう」と話している。

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