記事登録
2009年02月07日(土) 19時38分

<新型インフル>ワクチン製造期間を3分の1に…秋田の企業毎日新聞

 新型インフルエンザの大流行に備えるワクチンの製造期間を3分の1に短縮する方法を創薬ベンチャー「UMNファーマ」(秋田市、金指(かなざし)秀一社長)が開発した。すでにヒト対象の臨床試験を始めており、基本的な有効性と安全性を確認した。13日にスイスで開かれる世界保健機関(WHO)の新型インフルエンザワクチン評価会議で報告する。

 国内で作られているプレパンデミック(大流行前)ワクチンは、ウイルスを鶏卵で培養し弱毒化させて作る。製造に半年以上かかるため、新型インフルエンザが発生してから製造を始めた場合、大流行に間に合わないことが課題だ。新しい方法は昆虫細胞を使いウイルスの抗原を取り出して培養する方法で、約8週間で製造できる。

 同社は、新型インフルエンザに変異する恐れが強いとされる強毒性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)を材料にワクチンを製造。臨床試験は08年6月から20〜40歳の男性125人を対象に実施し、ウイルスに対する免疫が高い割合でできていることを確かめた。副作用も軽微だった。

 プレパンデミックワクチンは現在、北里研究所などがH5N1型を想定して製造。日本政府は08年度中に3000万人分を備蓄する準備を進めている。

 UMNファーマは2年後に製造販売承認申請を目指す。金指社長は「承認されたら1000万人分の製造を目指す」と話している。【関東晋慈】

【関連ニュース】
新型インフル:国が対策訓練 愛知県との共催で
新型インフル:備蓄ワクチンの接種後8人入院 厚労省研究
新型インフルQ&A:肺炎併発を防ぐには?
新型インフルQ&A:ワクチンは誰でも受けられる?
新型インフルエンザ:備蓄ワクチンの接種後8人入院−−研究結果

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090207-00000078-mai-soci