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2009年02月07日(土) 19時25分

北朝鮮、ドイツ人医師の厚遇ぶり明らかに 報酬や饗宴産経新聞

 【ベルリン=黒沢潤】北朝鮮指導部の心臓治療に携わるドイツ人の心臓外科医(65)が平壌をたびたび訪れ、北朝鮮側から特別の配慮を受けていた実態が明らかになった。貧困や飢餓などで多くの国民が苦しむ中、金正日総書記をはじめ政権幹部の体調管理に神経をつかう北朝鮮の様子がうかがえる。

 北朝鮮当局はこの外科医に対し、「名誉医師」の特別称号を授けている。同外科医が所長を務める「ドイツ心臓センター」(ベルリン)の内部資料によれば、金総書記が昨年夏に重病で倒れたと伝えられた際も、この外科医は9月26日−10月3日に平壌を訪問している。実際に金総書記を治療したかどうかは不明だ。

 同外科医は2007年5月にも訪朝しているが、その際、金総書記が心臓バイパス手術を受けたとも報じられている。外科医に近い筋が産経新聞に証言したところによると、ベルリン・平壌間の搭乗機の座席はファーストクラスで、手術に際し「莫大(ばくだい)な金額」が外科医計8人の医療チームに支払われた。

 外科医はその際、家族とともに朝から「高級な日本料理」を供されたという。北朝鮮のある外交官によると、「平壌ではキリンビールや刺し身をはじめ、(金総書記の好物とされる)日本料理が珍重される」と話しており、外科医への厚遇ぶりがうかがえる。

 北朝鮮とドイツの医療界の結びつきは古く、北朝鮮政府は旧東ドイツ時代から、東ベルリン有数の総合病院「シャリテー」に対し、多数の医師の養成を依頼していた。国交のある両国間では今でも、その流れが引き継がれている。

 韓国の金大中元大統領と個人的な親交を持つドイツ人の学識者によれば、「シャリテー」は以前、故金日成主席の首のこぶの除去手術を北朝鮮から打診されたこともあったという。

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