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2009年02月07日(土) 14時15分

国が7号機起動了承へ 地震後初、柏崎刈羽原発中国新聞

 二〇〇七年の新潟県中越沖地震後、停止中の柏崎刈羽原発七基のうち、東京電力が計画している7号機の原子炉起動について、経済産業省原子力安全・保安院は七日までに、了承する方針を決めた。

 東電は停止状態での試験などを終了し、地震後初の起動ができる状態をほぼ整えている。ただ地元の新潟県、柏崎市、刈羽村は、起動前に地元了解が必要とし、協議を始めたばかり。東電も了解を得るまで起動を待つ考えで、時期は未定。

 東電は起動、運転は設備の機能や安全確認などの試験としているが、順調ならそのまま営業運転入りするとみられ、夏の電力需要ピーク期までに営業運転を再開する可能性がある。

 計画では起動後、出力を段階的に100%まで上げ、配管などからの漏えいの有無や原子炉圧力、蒸気流量、タービンの性能などを確認する。漏えいや設備の変形などの異常があれば停止する。起動、運転の試験結果は国が評価する。

 東電は「試験は四十—五十日程度と思うが、点検項目は詳細には決まっていない」としている。

 保安院は、地震の影響を確かめる点検が盛り込まれ、出力を通常より慎重に上げるなど長期停止を考慮しているとして計画は適切と判断した。

 だが同原発で起き得ると東電が想定した地震は過小評価で、耐震強化は不十分と指摘する専門家もいる。新潟県の委員会でも、中越沖地震の震源とされる海底断層の評価は意見が分かれている。

 7号機について、保安院は地震後も設備は健全で耐震安全性は確保されていると判断。柏崎市が地震後に出した消防法に基づく周辺設備の使用停止命令も解除された。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200902070244.html