巨額詐欺事件で幹部が逮捕された「エル・アンド・ジー(L&G)」主催のバザーなどで使われた疑似通貨「円天」が、L&Gの
合同捜査本部は七日、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)の疑いで、同社会長の
合同捜査本部によると、L&Gは年利36%をうたった「協力金」などの名目で、会員から約千二百六十億円を集めた。こうした会員のほかに大きな被害を受けたのは、円天で商品を販売した千店以上に上る「円天加盟店」だ。
東京都内で宝石店を経営する女性(69)は二〇〇六年、L&G側から「円天加盟店になってほしい」と言われ、東京・銀座の常設市場に出店した。店では売れ行きが鈍い宝石が、この市場ではすぐに売れた。
一年半での売り上げは九千三百万円天。円天はポイントの25%で換金される約束で、約二千三百万円が手に入るはずだったが、L&Gの破綻で六百万円ほどしか回収できなかった。
「仕入れ先から『こんなに注文して大丈夫か』と心配されていたのに。宝石はプレゼントしたようなもの」。一年間、夫と酒を飲んでふさぎ込む日が続いた。
この女性は「出店業者の中には自殺した人もいると聞いている。強盗に入られたと思ってあきらめるしかない」と話していた。