2009年02月07日(土) 22時49分
「お遊び感覚」が生んだ悲劇(産経新聞)
「チャンピオンベルトを墓前に飾ることができてよかった」
平成18年7月、世界ボクシング協会スーパーフライ級タイトルマッチで勝利した名城信男さんは鳥取県内にあるお墓の前で静かに手を合わせました。
墓に眠るのはライバルだった田中聖二さん。17年4月、名城さんは日本スーパーフライ級王者だった田中さんを破って王座を奪いましたが、田中さんは試合後に意識を失い、急性硬膜下血腫(けっしゅ)と診断され、12日後に亡くなりました。
名城さんは一時的にパンチを打てなくなるほどショックを受けたそうですが、田中さんのボクシング人生を背負い、世界王者になるためにリングに戻りました。
格闘技は、最高峰の人たちでも命を落としかねない危険があります。だからこそ、“プロ”は身を守るため、緊張感を持って練習に没頭します。
東京都江東区の格闘技ホールで昨年10月、プロレス団体所属の男性会社員(25)が練習中に首を強打、首の骨が外れるなどして死亡しました。プロレス歴6カ月の新人で、本来なら体力作りに励む時期でしたが、団体代表と男性選手が高所から落下させる派手な技を会社員にかけました。
男性選手の言葉は「危ないと思わなかった」。名城さんの「生と死」に真剣に向き合う姿勢と比べると、この「お遊び感覚」には怒りさえ覚えます。(Q)
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