2009年02月07日(土) 22時39分
「三河一色産」ウナギ偽装 公判での全容解明に注目(産経新聞)
中国産ウナギが「愛知県三河一色産」と偽装表示して販売されていた事件で、不正競争防止法違反罪に問われた水産物輸入販売会社「魚秀」(大阪市)社長、中谷彰宏被告(44)や仲卸の水産物卸売会社「神港魚類」(神戸市)の元ウナギ担当課長、北本順一被告(40)ら5人と両社など3法人の初公判が9日、神戸地裁で開かれる。架空のダミー会社を経由させ、巨額の現金決裁で証拠隠滅をはかるなど、これまでにない悪質な偽装工作はどのように計画され、利益はどこに流れたのか。公判での全容解明に注目が集まる。
ほかに審理されるのは、魚秀の非常勤役員で水産物加工会社「土佐海商」(高知県南国市)元専務、横山圭一(39)▽魚秀福岡営業所長、川上智行(41)▽水産物加工会社「大洋水産」(高松市)元専務、稲山恵誉(44)の各被告。法人としての魚秀と親会社の「徳島魚市場」、神港魚類の3社。
起訴状によると、中谷被告らは共謀し、昨年2〜4月、魚秀が輸入した中国産のウナギかば焼き計約256トンを高松市内の倉庫で「愛知県三河一色産」などと印刷された段ボール箱約2万5700箱に詰め替えたうえ、昨年3〜6月に神戸市内や大阪市内などの卸売会社8社に対し130回にわたって1545箱(約15トン)を販売した。
弁護人によるとすでに中谷、北本両被告は起訴事実を認める意向を示しているというが、一連の偽装工作で、魚秀が不正に得たとみられる3億円に上る差益の行方はまだ明らかになっていない。
今回のような産地偽装を取り締まる日本農林規格(JAS)法では業者側が農水省の是正命令に従う限り刑事罰が科されず、抑止効果が低い。このため、相次ぐ産地偽装事件を受けて自民党内の小委員会は先月までにJAS法の改正案を作成。原産地を偽装した違反業者に、個人では1年以下の懲役100万円以下の罰金、法人には最高1億円の罰金を科せる「直罰制度」を導入するなどの実効力を持たせるとしている。
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