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2009年02月07日(土) 20時54分

惜しまれつつ…東大阪市役所の展望レストラン閉店へ産経新聞

 東大阪市役所の民営の展望レストランが今月いっぱいで閉店する。人件費や家賃に見合う売り上げがなく、採算が合わなかったことが原因。地上22階、高さ約100メートルからの眺望が自慢の“名所”だっただけに、市民や職員から閉店を惜しむ声が上がっている。(奥山正弘)

 展望レストラン「オールウェィズ」(約60席)は「グルメ杵屋」(大阪市住之江区)が経営。広々としたガラス張りの窓から生駒山を望みながら飲食ができる絶好のスポット。「市民に開かれた市役所」を目指して、平成15年3月に完成した新庁舎の“名所”でもあった。

 市職員の歓送迎会などで貸し切り利用されることもあったが、日常的に利用者が伸び悩み、人件費や家賃(月額約20万円)などが圧迫して大幅な赤字を計上していないものの不採算店を整理する同社の方針で撤退することになった。

 50代の市職員は「仕事帰りに同僚とよく生ビールを飲みました。残念です」。友人と訪れた主婦(62)は「いい景色を見ながら食事ができたのに…」と話してた。

 一方、職員食堂(11階、約210席)も3月末で閉店。「中央フードサービス」(大阪市福島区)が営業しているが、売り上げは1日平均約250食で、当初見込み(600食)の半分以下。昼食に弁当などの出前を取る職員も多く、毎年約200万円の赤字を計上していたという。市側も平成18年には当初の家賃月額44万円から約17万円に減額するなどしたが、黒字経営にはならなかった。同社は「何度も弁当の配達を規制してほしいと市にお願いしたが、頑として聞き入れてくれなかった。もう我慢の限界です」と説明。

 市は展望レストランの跡地の利用方法については今後検討していくという。職員食堂は今後も続ける方針で、3月から市広報紙やホームページなどで新たな業者を募集する。

 市管財課は「市なりに対策を練ってきたが残念な結果になった。食堂の空白期間をなるべく短くしたい」と話している。

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