シャープは6日、2009年3月期連結決算で、本業のもうけを示す営業利益が、08年10月時点予想の1300億円の黒字から300億円の赤字になると発表した。
営業赤字は1956年に東京証券取引所に上場して初めてとなる。税引き後利益も、600億円の黒字から1000億円の赤字に転落する見通しだ。
これに伴い、すでに公表した液晶や電子部品の工場での約540人の削減を含め、全国で約1500人の非正規社員を削減する。大半の工場と本社などの管理部門も対象とする。経営責任を明確にするため、3月から7か月間、取締役と執行役員の報酬を5〜30%減額し、6月の賞与もゼロとする。管理職も09年度の年収を10〜20%カットする。
世界的な景気後退で、主力の液晶テレビの価格が下落したほか、携帯電話の販売も振るわなかった。液晶テレビの販売台数は前期比21%増の1000万台を確保するが、「全世界で価格が20〜30%下落している」(浜野稔重副社長)ため、液晶テレビ事業で初の営業赤字に転落する見通しだ。
売上高は、予想より5200億円少ない2兆9000億円と、3年ぶりに3兆円を割り込む見込み。また、資本・業務提携先のパイオニアなどの株価下落による評価損約430億円や、液晶パネル工場再編などに伴う構造改革費用約500億円など計1187億円の特別損失を計上するため、税引き後赤字が膨らむ。
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20081209-206556/news/20090206-OYT1T00922.htm