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2009年02月06日(金) 00時00分

記録映画監督、入江 富美子さん読売新聞

初めて撮った記録映画の自主上映が広がる映画監督の入江富美子さん(43)

 映画鑑賞が趣味だが、撮影技術も、経験もない。それでも監督を務め、「1/4の奇跡〜本当のことだから〜」(100分)を制作して2年。口コミで評判が広がり、自主上映会は国内外で350回を数えた。

 石川県の養護学校教諭・山元加津子さん(51)と障害児らの交流を描く記録映画。「『生まれてきただけで素晴らしい』とのメッセージが届いたのかな」と喜ぶ。

 主婦。会社員の夫(42)、小学生の2児と大阪市で暮らす。4年前、講演で命の尊さを訴え続ける山元さんを偶然知り、「その姿を多くの人に伝えたくて」と映画作りを思い立った。

 友人の協力を得て1年間、家庭用ビデオカメラを携えて密着した。誰もが尊重し合える社会を願って逝った難病の少女、生きる意味を詩に託した知的障害の少年……。教え子を語る姿を撮っては、深夜に編集した。行き詰まって泣いた夜もあったが仲間に支えられたという。

 7日、東京・下北沢の短編映画館「トリウッド」で初のロードショーが始まる。新作の構想もある。「少女らの願いが世界中に届くまで、監督はやめられない」(大阪社会部 宮原洋)

http://www.yomiuri.co.jp/komachi/news/mixnews/20090206ok01.htm