2009年02月06日(金) 09時29分
PCログ監視システムのユーザーは「費用対効果より機能重視」(TechTarget)
TechTargetジャパンでは2008年12月13日から22日にかけて、TechTargetジャパン会員を対象に「PCログ監視システム」に関する読者アンケート調査を実施した。主にコスト不足が原因で導入済みのユーザーが全体の4割弱にとどまる一方、導入時は費用対効果よりも機能を重視することを示す調査結果が得られた。
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以下、読者の回答内容の一部を紹介する。なおPCログ監視システムとは、主にクライアントPCの操作履歴を記録・分析して情報漏えい防止やコンプライアンスの向上などに役立てるためのツールを指す。
●システム導入状況
「導入している」と回答したユーザーは37.4%と少数にとどまり、未導入が全体の半数以上という結果となった。システムの導入や入れ替えを検討するユーザーも3割に満たず、まだ普及が進んでいない状況であることが分かる。ちなみに、導入済みおよび導入を検討する製品の上位3位以内にはいずれも「LanScope Cat」シリーズ(エムオーテックス)と「秘文ME Log Manager」(日立ソフトウェアエンジニアリング)がランクされており、ユーザーがこれら2製品の導入実績やブランドの知名度を評価したものと考えられる。
●システム導入の目的・きっかけ
「情報漏えい対策」が26.5%と最もポイントが高い。次いで「社員のセキュリティ意識向上」(26.5%)、「内部統制対策」(17.9%)とセキュリティ対策に絡む回答が続き、上位3つだけで約65%を占める。この点から、ファイル操作・Webアクセスのログ監視や情報漏えい時のトレース(追跡)といった機能がセキュリティリスクを低減する直接的な対策となるほか、システムの導入自体が社員の不正行為を抑止する効果となるのを期待していることが読み取れる。
●システムの監視対象
導入済みのユーザーの場合、監視対象となるのは、Web閲覧、メール、ファイルアクセス、PC端末の操作などである。Web閲覧が86.0%と高い比率を示しているのは、業務に直接関係のないWebサイトへのアクセスが情報漏えいや生産性低下につながる可能性が高いためだ。また、USBメモリなどの外部記憶装置の利用・紛失による情報流出を危ぶむ声が聞かれる中、外部デバイスの利用を監視対象とする導入検討ユーザーが多い点は注目できる。
●導入の障害となる要因
PCログ監視システムを導入する上で最も大きな障壁となるのは「費用不足」という結果となった。また、社内インフラへの負荷、運用に対する社員や経営陣の理解不足といった点も要因として挙げられており、PCのシステムに常駐して社員の行動を把握するという製品の性格が回答内容に反映されている。
●製品選定の際に重視するポイント
製品選定時に最も重視するポイントとして「管理・リポート機能」(22.0%)を挙げるユーザーが多く、システム導入の検討段階で大きな割合を占める「費用対効果」(21.1%)をわずかながら上回った。2番目に重視するポイントとしても高い比率を示しており、PCログ監視システムが価格、操作性よりも機能性が重視される製品であることを表しているといえる。
詳細なアンケート結果は、以下からダウンロードできる(TechTargetジャパン会員限定)。
・「PCログ監視システムの利用状況に関するアンケート調査」結果リポート
本稿では紹介しきれなかったさまざまなアンケート結果とともにアンケート回答者の詳細な属性も紹介されているので、ぜひ参照されたい。
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090206-00000015-zdn_tt-sci