トヨタ自動車は6日、2009年3月期の連結純損益予想(米国会計基準)を500億円の黒字から3500億円の赤字に下方修正した。世界的な販売減によって前期の約1兆7000億円の黒字から業績が急降下する。トヨタが純損失に陥るのは1963年11月期の純損益公表開始以来初めてとなる。
トヨタは昨年11月と12月にも業績予想を引き下げたばかり。日米欧などの主要市場で年明け以降も想定を上回る販売減が続いているためで、異例となる3回目の修正に追い込まれた。
トヨタをはじめとする自動車メーカーのほか、電機、鉄鋼、化学など幅広い業種で業績悪化が止まらない。トヨタの赤字転落は国内経済が未曾有の危機に直面していることを象徴している。
トヨタの09年3月期の売上高は20・1%減の21兆円、営業損益は昨年12月発表予想の3倍となる4500億円の赤字になる見通し。
都内で記者会見した木下光男副社長は、生産面でのコスト削減に加え、労務費や販売費といった固定費を来期に5000億円程度減らす方針を表明。雇用については「期間従業員をゼロに減らす計画はない。海外でもワークシェアリングを導入するなどして雇用を最大限守りたい」と述べた。
トヨタの販売台数は、最大市場の米国で今年1月まで3か月連続で3割以上前年同月の実績を下回るなど、かつてない落ち込みが続いている。09年3月期の連結販売台数の見通しは前期比17・9%減の732万台と発表。前期の891万3000台から約160万台も減少する。
同時に発表した08年4—12月期決算は、売上高が前年同期比13・8%減の16兆9932億円、営業利益が88・2%減の2215億円だった。
(2009年2月6日21時14分 スポーツ報知)
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