築地市場の移転を計画している東京都は6日、移転先の豊洲地区(江東区)から検出された高濃度の有害物質を処理する汚染対策を発表した。遮水壁の設置から市場移転後の地下水管理まで、実用化された工法を一体的に組み合わせた。地下水管理は国内最大級の規模という。
汚染処理の工法を検討する技術会議が報告書を作成し、石原慎太郎知事に提出。知事は定例会見で「市場用地として高いレベルの安全、安心を確保する」と述べた。
汚染対策は2010年から20か月の予定で実施する。
報告書によると、汚染対策費は当初973億円と見込まれていた。しかし技術会議は〈1〉遮水壁は汚染されていない現地の土とコンクリートを混ぜて造り、コストを低減〈2〉現地にプラントを設置して汚染を処理し、汚染土壌の輸送コストを抑える—などの対策を取ることで586億円に削減した。
有害物質の処理は、土中の微生物を活性化させて濃度を低下させるほか、土壌を加熱して除去したり、水で洗浄したりして有害物質を分離する。
移転先は東京ガスの工場跡地。都の調査で、土壌の一部から環境基準の4万3000倍のベンゼン、860倍のシアンを検出し、地下水から1万倍のベンゼンが見つかるなどしていた。
(2009年2月6日19時38分 スポーツ報知)
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090206-OHT1T00244.htm