疑似通貨「円天」を売り物にした健康寝具販売会社「エル・アンド・ジー(L&G)」の巨額詐欺事件で、同社がグループ18社と役割を分担し、組織的に資金集めをしていたことが6日、警視庁と宮城、福島両県警の合同捜査本部などの調べで分かった。
グループ会社の役員にはL&G会長の波和二(かずつぎ)容疑者(75)や親族が就任しており、合同捜査本部は波容疑者が組織を私物化していたとみて金の流れを調べている。
またL&Gが破綻(はたん)する直前の2007年初め、韓国で日本での疑似通貨「円天」と同様の仕組みを「ウォン天」として普及させようと計画していたことも判明した。
合同捜査本部などによると、グループ会社の「日本アーク協会」は円天システムの運営、「エル・アンド・ジーあかり」は年利36%をうたった「協力金」の募集を担当。有名歌手が出演する無料コンサートは特定非営利活動法人(NPO法人)「あかり研究所」が主催していた。
「デジタル・ウェーブ」は、波容疑者の長男勝詞容疑者(39)=5日に組織的詐欺容疑で逮捕=が社長を務め、波容疑者の講演を収録したDVDを制作。L&Gから勝詞容疑者へ約8200万円が貸付金として渡っていた。
また韓国・ソウル市に「L&G韓国」を設立し、波容疑者の元妻が社長に就任。L&Gから約1億3700万円が貸し付けられ、「ウォン天システム」の計画があったが、実施はされなかった。
ほかにもL&Gやグループ会社の役員には以前、波容疑者の親族が名を連ねていた。
(2009年2月6日18時23分 スポーツ報知)
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090206-OHT1T00222.htm