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2009年02月06日(金) 18時23分

「かんぽの宿」売却撤回 日本郵政、個別譲渡も検討スポーツ報知

 日本郵政の宿泊施設「かんぽの宿」など79施設の一括売却が宙に浮いている問題で、日本郵政がオリックス不動産(東京)との譲渡契約を白紙撤回する見通しとなった。日本郵政の西川善文社長が6日の衆院予算委員会で「総務相の認可が得られないと契約を実行できない。白紙撤回もあり得ると思っている」と述べた。各施設の個別売却も含め、譲渡方法の見直しに着手する。

 かんぽの宿は当面、日本郵政が現状のまま経営を継続する。西川社長によると、白紙撤回に伴う違約金の条項はない、という。

 契約の一時凍結を明らかにしていた西川社長は「白紙撤回ではない」としていたが、鳩山邦夫総務相がオリックスへの売却を認可しない考えを重ねて強調。日本郵政は、オリックスへの一括売却は現実的に難しいと判断したもようだ。

 ただ「オリックスが落札した競争入札の経緯に疑念を残したまま撤回すると、経営に及ぼすダメージが大きい」(日本郵政関係者)ことから、入札が適正だったとも主張していく方針。このため、オリックスとの正式な契約解除はずれ込む可能性もある。

 かんぽの宿は年間40億円規模の赤字事業だけに、売却時期が遅れるほど経営上の負担となるのは必至。個別売却では従業員の雇用など新たな問題が発生する恐れもある。

 これに関連し、鳩山氏は6日の衆院予算委で「どうして(入札に応募した企業の中から)多くの辞退者が出るのか。こんなものは入札と言えるのか」と、入札経緯に強い不信感を表明。西川社長は地元自治体に売却に関する連絡がなかったことについて「地元の説明を怠っていたのは事実。深くおわび申し上げる」と陳謝した。

(2009年2月6日18時23分  スポーツ報知)

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090206-OHT1T00184.htm