ヨン様の物まねなどで知られるお笑い芸人・スマイリーキクチ(37)のブログに、本人が殺人事件の犯人であるかのような書き込みをしたとして、警視庁中野署は5日までに、17〜45歳の男女計18人を名誉棄損の疑いで書類送検する方針を固めた。また、別の1人が既に脅迫容疑で送検されている。10年前から、同様の誹謗(ひぼう)中傷を受けてきたスマイリーは「全くの事実無根です」とコメントした。
もう笑ってはすまされない。長年にわたり、殺人犯であるかのように誹謗中傷されてきたスマイリーは「全くの事実無根」と断言。「このままでは、私のみならず、家族や友人・知人に不安な思いをさせてしまうと考え、被害届を出させていただきました」とコメントした。
スマイリーが犯人扱いされた事件は、1988年に東京都足立区で起きた「女子高生コンクリート詰め殺人」。足立区出身で犯人と同世代だったことだけを理由に、スマイリーを殺人者に仕立てあげる動きは、99年頃から始まった。「スマイリーは犯人である」「犯人の知り合いである」「事件のことを笑いのネタにした」「被害者の名誉を傷つける発言をした」などの書き込みは、その後もネット社会で拡大、都市伝説化していった。
悪質な書き込みが後を絶たないため、ブログは2〜3年前に一時閉鎖。このとき、スマイリーは中傷コメントを削除しすぎて「腱鞘(けんしょう)炎」になったという。昨年1月に再開したが、すぐに「人殺しがなんで芸人をやっているんだ」などいう書き込みが、数百件も相次いだ。中野署は特に悪質な書き込みをした人物を特定。立件に踏み切るとしている。
書類送検される方針となったのは札幌市の女子高生(17)、千葉県松戸市の男(35)、大阪府高槻市の男(45)ら男女計18人。逮捕容疑は昨年1月から4月にかけて、事実無根の内容をブログのコメント欄に書き込んだ名誉棄損の疑い。これとは別に、神奈川県内の派遣社員の女(29)が、昨年12月に「殺してやる」などと殺害予告ともとれる脅迫を書き込んだ疑いで、既に書類送検されている。
所属事務所では「(スマイリーが)『足立区出身の元不良』を売り文句にしていた」とした一部情報を「事実ではありません」とし、スマイリーの芸風を「にこやかな笑顔で鋭く切る漫談」とした。報道を受け、スマイリーのブログには激励のコメントが殺到している。
著名人のブログに批判や中傷が大量に書き込まれる状況は「炎上」と呼ばれ、風評被害やブログの封鎖などに追い込まれる例が後を絶たない。
◆スマイリーキクチ 本名・菊池聡。1972年1月16日、東京都足立区北千住生まれ。37歳。太田プロダクション所属のお笑いタレント。93年1月にコンビ「ナイトシフト」を結成するが、翌年6月に解散して以降は1人で活動。ニコニコしながら毒舌を吐く芸風で知られ、2004年ごろから韓流スター、ペ・ヨンジュンの物まねを主な持ちネタとしている。テレビでは日テレ系「エンタの神様」「ものまねバトル」、フジ系「めちゃ×2イケてるッ!」など、CMでは東芝エアコン、ネスカフェR&Bなどに出演。特技はキックボクシング、空手。趣味はスニーカー集め、古いおもちゃ集め、ドリフグッズ集めなど。170センチ、68キロ。血液型はO。
(2009年2月6日06時01分 スポーツ報知)
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090206-OHT1T00069.htm