県内で2008年に発見された変死体は前年より39体増えて2013体と、過去最多だったことが県警のまとめでわかった。病死が6割超を占め、独り暮らしで誰にも気づかれずに死亡する「孤独死」が約1割に上った。(森山雄太)
県警捜査1課によると、08年に発見された変死体数は、15年前(1070体)の1・9倍とほぼ倍増しており、記録が残る1965年以降最多だった。
全体の中で最も多かったのが「病死」の1279体で、全体の64%を占めた。次いで、「自殺」の513体で、病死と自殺で全体の約9割を占めた。
最多だった病死のうち、65歳以上の高齢者が925体と7割を超えた。また、265体は「孤独死」で、変死体全体の1割強に上った。
変死体数が増加している背景について、同課は、高齢化と家族形態の変化を指摘。県の調査では、08年の県内の独居老人世帯数は3万7088世帯で、5年前と比べると7580世帯増加している。また、子供夫婦と同居していても共働きで日中に老人が一人になり、変死体で見つかるケースも増えているという。
同課は、「団塊の世代が退職し、これからも独居老人が増え続け、孤独死も増加するのではないか」とみている。
変死体数の増加に対応するため、県警は1994年、検視専門の刑事調査官を1人から2人に増やし、その後、補助業務を担当する検視補助官も1人から2人に増やした。それでも、変死体は1日平均6体ほど発見され、すべてに対応できないのが実情。このため、他殺が疑われる時に現場に出動する程度に抑えている。
ただ、07年に起きた大相撲時津風部屋の力士急死問題を受け、全国の都道府県警は検視態勢の強化が求められており、県警は4月以降、さらに検視補助官1〜2人を増員することを検討している。同課は、「できるだけ県警本部から現場に行き、誤った検視がないようにしたい」としている。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/aomori/news/20090206-OYT8T00057.htm