2009年02月05日(木) 09時22分
L&G波会長、マルチと二人三脚 「最後」は覚悟?(産経新聞)
カリスマ性と話術で会員を魅了し、巨額の資金を集めた健康寝具販売会社「エル・アンド・ジー」(L&G)の波和二(かずつぎ)会長(75)。昭和40年代からマルチ商法に中心人物として関与し、L&G設立後も当時のマルチ人脈を懐に取り込んで集金システムを築き上げていった。その経歴から会員には「マルチ界の教祖」と奉られ、社内では超ワンマンぶりを発揮。破綻(はたん)後もブログなどで自身の正当性を訴え続けていた。
・写真:自宅近くの居酒屋でビールをすするL&Gの波和二会長
民間信用調査会社などによると、波会長は三重県出身で、日大芸術学部卒業後、一時、家業の林業を継いだ。マルチの世界で名前が知られるようになったのは、30代のころ。40年代に国内初のマルチ商法として社会問題化した自動車部品販売会社「APOジャパン」の中心メンバーとして頭角を現した。
しかし、破綻直前に辞め、APOの販売代理店「ノザック」社長に就任。水道水をミネラルウオーターに変えるという「麦飯石」のマルチ商法を始めたが、昭和53年に破綻して詐欺容疑で逮捕され、実刑判決を受けた。出所後の62年に設立したのがL&Gだった。
「波会長は『一度マルチで捕まったから、もうそっちには進まない』と話していた。社会貢献をめざす会社を立ち上げると言っていたのに…」
約20年前、L&Gの関連会社設立にかかわった元社員はこう証言する。だが、その言葉とは裏腹に、波会長の歩みはマルチとの“二人三脚”だった。
L&Gには、ノザック時代に一緒に逮捕された2人が幹部だったほか、沈没船引き揚げをうたって巨額資金を集めて逮捕されたリッチランド元会長らも設立当時の役員に名を連ねており、「役員名簿はさながら“詐欺師図鑑”」(捜査関係者)のようだった。
経験に裏打ちされた話術とカリスマ性は超一級といわれる。「関連会社を含め肩書がついている社員はいたが、実質は波会長1人が仕切っていた。『石原慎太郎の選挙に金を出した』とか、はったりがすごいから、だまされる人は多かった」と元社員は話す。
芸能人や学者ら華麗な人脈を披露し、歴史上の偉人に自らをなぞらえるのが口癖だった。いわく「エジソンも最初は詐欺師といわれていた」「元寇を予言した日蓮のように、おれも世界経済の混乱を予言し、円天を作った」
L&G元幹部が「彼の本質はゼニよりオンナ」と分析するように、女性関係も派手だった。息のかかった若い女性を6、7人はべらせ、家賃は会社持ち。ハワイ旅行に連れて行くなど公然と特別扱いをしていた。社員がこれらの女性を注意しようものなら、逆に波容疑者にしかりとばされた。
取材時に「いつ死んでもいい。悪いことしてへん」と強気で容疑を否定する一方、警視庁などの特別捜査本部には「獄中死も覚悟している」と弱気な態度をみせることもあったという。
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090205-00000523-san-soci