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2009年02月05日(木) 02時35分

<化石>ナウマンゾウでなく野牛と判明 栃木の博物館毎日新聞

 栃木県佐野市の博物館「佐野市葛生化石館」が約30年間、地元出土のナウマンゾウとして展示していた骨片化石が、約1万5000年前に日本に生息していた野牛(やぎゅう)(バイソン)の化石であることが4日分かった。バイソンの化石は北海道や岩手県一関市(旧花泉町)など数カ所で見つかっているが、関東地方での出土は初めてという。同館の奥村よほ子学芸員は「骨が似ているので分からなかった」と驚いている。

 同館によると、昨年3月に来館した群馬県立自然史博物館の長谷川善和館長が、展示されたナウマンゾウの骨片化石8個のうち、「左前足」の大きさや、関節のへこみがナウマンゾウと異なることに気づいた。

 長谷川館長はこの化石を持ち帰り、他の種の化石と比較調査するなどした結果、同12月にバイソンと判明したという。長谷川館長は来月、バイソンと確認した経緯を「群馬県立自然史博物館研究報告」で発表する。

 この化石は昭和40年代前半、地元の化石研究家が葛生町(現佐野市)にある石灰砕石場の後期更新世(12万〜1万1700年前)の地層から、ナウマンゾウの化石と一緒に発見したという。そのため、バイソンの化石と分からなかったとみられる。化石館は79年からナウマンゾウとして展示してきたが、1月下旬に「バイソン化石」と表示を改めた。【古賀三男】

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