福山市国民健康保険の被保険者一人当たりの年間医療費が、2008年度に初めて30万円を超す見通しであることが4日、市の調べで分かった。国の制度改革の影響に加え、医療費のかさむ高齢者の割合が増えたことが主な要因とみられている。
市によると、2002年度に老人保健会計の対象年齢が70歳から74歳に段階的に引き上げられた影響もあり、医療費は増加してきた。被保険者一人当たりでは02年度の年17万4655円が07年度には24万6279円にまで増えた。
総額も07年度に200億円を突破。市が被保険者に支払う給付費も147億円余りと5年前から約60億円も増え、08年度には国保税を9年ぶりに一人当たり年2926円引き上げた。
国の退職者医療制度廃止で65歳以上の被保険者が大幅に増えることなどから、市は08年度のある程度の伸びは想定していた。しかし、上半期の概数から推計すると、医療費が327億円余り、保険給付費も238億円余りになり、一人当たりの医療費が年30万701円と予想以上の増加見通しが分かった。