2009年02月05日(木) 01時52分
L&G役員に報酬4億円 破綻状態以降 逮捕容疑は1億2000万円の詐取(産経新聞)
全国約5万人から総額1000億円超の資金を集めたとされる健康寝具販売会社「エル・アンド・ジー」(L&G、東京都新宿区、破産手続き中)が実質的に破綻(はたん)状態に陥った平成18年以降、波和二(かずつぎ)会長(75)と役員6人が総額で4億円を超える高額の報酬を受け取っていたことが4日、分かった。L&Gは19年6月期に約685億円の債務超過となったが、役員報酬の総額は前年より1500万円以上増額されていた。
また、今回の逮捕容疑の詐取額は約1億2000万円になる見通しであることも判明。警視庁などの特別捜査本部は5日、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)容疑で波会長やL&G幹部ら22人を一斉に逮捕する。特捜本部は総額約3億円の立件を目指す方針。
会長らの高額な役員報酬は破産管財人の調査で判明した。破産管財人は「破綻状態となっている会社の役員が、これほど高額の報酬を受け取ることは考えられない」と指摘している。
これまでの調べでは、L&Gは13年ごろから積極的に「協力金」の名目で出資金の募集を始めた。破産管財人が入手した決算書によると、波会長を含めた役員数は13年に10人だったが、15年に9人、16年に8人と徐々に減少。18、19年には7人となっていた。
それに対して、役員が受け取った報酬と賞与の支給額総計は、13年は約1億8730万円だったものの、役員数が3人減った18年には約1億9590万円と逆に増加している。破産手続き前の最後の決算となった19年には、約2億1220万円と7年間でもっとも高額の報酬が支給されたことになっていた。L&Gが破綻状態に陥ってからの報酬総額は約4億810万円に上る。
被害対策弁護団は同年10月、L&Gと波会長の破産申し立てを東京地裁に行い、認められた。波会長の預金通帳などは警視庁などの特別捜査本部に押収されているが、破産管財人が波会長に確認したところ、「預金残高はない」との返答だったという。波会長らが受け取った多額の報酬の使途は不明で、破産管財人は押収された資料が開示されるのを待って、詳しく分析する。
一方、波会長は破産手続き開始後の生活について、産経新聞の取材に「住んでいたマンションも追い出された。銀行の取引は全部停止され、金はない。パスポートも警察に任意提出したため、どこにも行けない」などと話していた。
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