自民党は四日、選対委員会を党本部で開き、二〇一〇年夏に行われる参院選の比例代表候補の第一次公認を通例より前倒しし四月に決定する方針を確認した。古賀誠選対委員長は、比例代表候補の「総裁枠」選考に関し選対本部主導を明確化する規定変更案を提示。古賀氏は片山虎之助前参院幹事長(73)の擁立に前向きとされ、党内では片山氏の「総裁枠」での公認を念頭に置いた提案との見方が出ている。
一次公認に関しては、日本医師連盟など自民党の支持団体を基盤とする「組織内候補」で改選を迎える現職十三人を中心に今月中旬から順次、意思確認を進める。
比例代表の公認決定は任期満了の一年前が通例で、劣勢が予想された〇七年七月の参院選は早期に態勢を整えるため前年の五月に決定した。今回は春以降の衆院選も念頭に、さらに前倒しする。選対幹部は「衆院選で参院選候補と一緒に選挙運動をすれば『比例は自民』と呼び掛けやすい」としている。
選考基準案は党員党友の確保や定年七十歳は従来通りだが、例外規定となる「党総裁特別枠」について「総裁が認める場合」としていた部分を「選対本部会議の議を経て決定する」と変更する。
片山氏は自民党が惨敗した〇七年の参院選で岡山選挙区から四選を目指したが落選。三日の会合では「もう少し賞味期限が自分では残っていると思う」と述べるなど、出馬に意欲を示している。
選挙区での立候補には定年はないが、岡山選挙区は民主党出身の江田五月参院議長と厳しい戦いが予想されるため、古賀氏は比例代表での擁立を検討。ただ定年制に抵触するとの問題があるほか、参院側で歓迎しない声もあり、選対委員長として主導しやすくする狙いがあるとみられる。