国土交通省は四日、エレベーターやジェットコースターなどで起きた重大事故の原因を、専門に調べる事故対策委員会を六日付で設置すると発表した。発生直後から警察による刑事責任追及とは別に事故機を調査し原因究明、結果を早期に公表して再発防止に役立てるのが狙い。
航空機や鉄道の事故では国交省の運輸安全委員会が事故原因を調べるように、刑事責任とは切り離すことで迅速に調査できるようにする。
国交省はこれまで警察の捜査に配慮、事故機そのものの調査はせずに再発防止策を検討していた。しかし二〇〇六年、東京都港区のマンションで男子高校生がエレベーターに挟まれた事故では今も原因が明らかになっていないことなどから、本格的な調査態勢をつくることになった。
対策委は国交省の社会資本整備審議会の下部に置く常設の組織で、学識経験者やエレベーターなどの専門家、弁護士ら十二人で構成。調査対象はエレベーターやエスカレーター、ジェットコースター、観覧車、回転ドアなどでけが人が出た事故などを想定している。
警察側が捜査に支障があるとして認めない場合を除き、発生直後から事故機について整備や点検にミスがないかや設計通り製造されているかなどを調査する。問題点は公表、国交省の技術基準の見直しなどに生かす。
対策委は今後、港区の男子高校生の死亡事故に加え、昨年八月の東京ビッグサイト(東京都江東区)のエスカレーター逆走事故や、京都市で昨年十二月に女性が重傷を負ったエレベーター事故についても調べる。