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2009年02月05日(木) 21時27分

<賠償命令制度>傷害の被害者が東京地裁に初の請求申し立て毎日新聞

 昨年12月に始まった損害賠償命令制度に基づき、傷害事件の被害者の30代女性が5日、被告の男に対する約58万円の損害賠償請求を東京地裁に申し立てた。東京地裁に制度の利用申請があったのは初めて。被告に有罪判決が言い渡されれば、同じ裁判官が引き続き、賠償額を審理する。

 女性は昨年11月、東京都世田谷区の路上で通行人に趣味の占いをしていたところ、通り掛かりの男に言いがかりをつけられ、顔や頭を殴られ1週間のけがを負ったとされる。男は傷害罪で起訴され、9日に初公判がある。

 損害賠償命令制度は、刑事裁判とは別に被害者が改めて民事訴訟を起こす負担を軽減するために、被害者参加制度と同時に新設された。殺人や傷害事件などが対象になる。女性の弁護人は「簡易、迅速に結論が出る上、民事裁判のために刑事事件の記録を取り寄せる手間もなくなり、メリットは大きい」と話している。【伊藤一郎】

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