十和田八幡平国立公園内にある奥入瀬渓流（青森県十和田市）の遊歩道付近で落木に当たり、下半身まひとなった茨城県の女性（４３）と、その夫が国と青森県に計約２億３０００万円の損害賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第一小法廷（涌井紀夫裁判長）は５日、国と県の上告を退ける決定をした。
国と県に計約１億９３００万円の支払いを命じた二審東京高裁判決が確定した。
二審判決によると、女性は２００３年８月４日、遊歩道付近で地上約１０メートルの高さから落下してきた国有林のブナの枯れ枝（長さ約７メートル、直径約十八—四十一センチ）の直撃を受けて胸椎（きょうつい）などを骨折し、下半身まひの後遺障害を負った。
一審東京地裁判決は「事故発生は予見可能で、落木の危険があったのに対策が取られていなかった」として、計１億４８００万円の賠償を命令。
二審も一審同様に国と県の賠償責任を認め、事故がなければ女性が得たであろう利益について「女性は理学博士で、将来高収入の可能性が高い」として増額した。
（2009年2月5日19時14分 スポーツ報知）
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090205-OHT1T00259.htm