大阪府茨木市のカトリック大阪大司教区茨木教会で、74歳の神父が、女性信者(42)と小学生のその娘に対し、セクハラ行為を働いたとして、女性が府警茨木署に被害届を出していたことが4日、分かった。神父は教会側の調べに「申し訳ないことをした」と暴走行為を認めているという。同署は同じ時期にほかの女性からもセクハラ被害の報告を受けており、強制わいせつの疑いで調べを進める予定という。
聖職者が“性職者”へと暴走してしまった。被害女性は、神父が住む教会内の住居「司祭館」の台所などで「愛してます」と言われ、服の上から抱きつかれたり、唇へのキスをされたとして、セクハラ被害を届け出た。これまで何度も被害に遭っており、さらに昨年12月にはこの女性だけでなく、小学生の娘もキスをされたという。
先月18日に教会を統括する大阪大司教区が、神父を問いつめると「しました。本当に申し訳ないことをした」とみだらな行為を素直に認めたという。理由については「母子は本当に大変な家庭で、あまりにふびんだったから」と話している。
被害に遭った母子は2人暮らし。女性は2001年ごろに以前の勤務先の教会で神父と知り合い、茨木の教会に移った02年以降も司祭館の掃除などに従事。神父はお礼として1日2000円ほどのポケットマネーを支払う一方で、何度もセクハラ行為に及んだとみられる。
カトリックの神父は結婚して家族を持てるプロテスタントの牧師とは違い、例外を除いて妻帯を許されておらず、このセクハラ神父も独身。神父は母子の金銭事情に同情していたが、仕事を与えている弱みにつけ込み、劣情へと暴走していったようだ。神父は「女性から嫌だと言われたことはない」と話しているというが、女性は「ずっと嫌だった」と苦しい胸中を明かしたという。
外国人信者への抱擁やキスなどは珍しくないが、日本人相手ではタブー的な行為。大司教区は「(母子への)恋愛感情までは分からない。ただ、女性には何度も繰り返しているみたいなので…」と言葉を濁した。弁護士3人を含む第三者委員会を設置し、事実関係を調査中で、神父の処分を検討。茨木署では同時期に匿名で、別の女性からも「セクハラ被害に遭っている」と相談を受けており、強制わいせつの疑いもあるとみている。
神父は先月20日から別の教会で謹慎中。セクハラ行為の舞台になった教会はこの日、ひっそりとしており、高齢の男性信者は「ビックリしました。普段は本当にいい人でしたから」と残念そうだった。
(2009年2月5日06時02分 スポーツ報知)
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090204-OHT1T00365.htm