４日の衆院予算委員会で、道路特定財源の一般財源化をめぐり、麻生太郎首相（６８）が、質問に立った民主党の前原誠司副代表（４６）に「首相は“やるやる詐欺”の常習犯。選挙も一般財源化もやると言ってやらない」と批判される一幕があった。詐欺師扱いされた首相は「詐欺というのは犯罪だ。これは犯罪か」と応戦。総選挙をにらんだ野党の攻勢に一触即発のムードとなった。
ついに犯罪者扱いだ。
衆院予算委で、前原氏が来年度からの一般財源化で創設する９４００億円の「地域活力基盤創造交付金」のうち、８０００億円が道路整備に使われるとして、首相発言のぶれを追及した際、麻生首相をこう非難した。
前原氏「私から言わせると、麻生首相は“やるやる詐欺の常習犯”なんですよ。選挙をやるやると言ってやらない。道路特定財源の一般財源化もやるやると言ってやらない。これを詐欺と言わなくて何ですか」
「詐欺とはなんだ！」と与党席から激しいヤジが飛び交うなど朝から議場は騒然。笑みを浮かべ、答弁に立った麻生首相は「詐欺というのは犯罪者扱いの対象になる。詐欺は犯罪ですよ。これは犯罪ですか」と反論した。
途中、衛藤征士郎委員長（６７）が「無礼な言論をしてはならない」とたしなめると、民主党議員が委員長席を取り囲み、委員会は紛糾。前原氏は発言を撤回せず、さらにエキサイトした。
前原氏「一般財源化すると言ったが、中身は変わってない。麻生首相は希代の詐欺師だ」
さらに事前に通告していなかった公益法人に関する質問をしたが、首相に答弁を拒まれると「そんな答弁するんだったら家に帰って寝てた方がマシ。一国の首相として恥ずかしいと思わないのか。税金泥棒だ」と最後まで言いたい放題だった。
けんか腰の前原氏とは対照的に麻生首相は「今日は詐欺とか泥棒とかいろいろ言われますが、森羅万象すべてを知っておくのは難しい」と淡々。まだ国会論戦が本格化したばかりとあってか、挑発に乗らず、余裕を見せた。
先月の参院予算委では、民主党・石井一議員（７４）が「漢字テスト」を突き付けるなど手を変え、品を変えて首相を攻めたてる民主党。この日は前原氏を筆頭に菅直人代表代行（６２）、「ミスター年金」こと、長妻昭議員（４８）らが質問に立ち再三政権交代をアピールしていたが、今回の前原氏の国会内での“暴言”は論議を呼びそうだ。
（2009年2月5日06時02分 スポーツ報知）
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090204-OHT1T00348.htm