4日、赤字決算を発表した三菱自動車の業績不振が、主力工場、水島製作所(倉敷市)の地元を直撃している。同製作所と周辺に点在する下請け部品メーカーの期間・派遣従業員らは生産調整のため、雇用契約打ち切りなどに追い込まれ、悲痛な声を上げる。
倉敷市の男性(31)は1月末、同製作所の期間従業員契約を打ち切られた。昨夏、軽乗用車生産ラインに配属され「当初は忙しかった。11月、乗用車が減産。軽は大丈夫と思っていたのだが…」と肩を落とす。妻、子どもがいる。自動車業界は安定した職場と思い、建設関連から変わった。「会社から景気が良くなれば戻れ、と言われている。あてにはできない」
部品メーカーが集積する総社市の日系ブラジル人も深刻。昨年末、派遣契約を打ち切られたユキオ・ノナカさん(44)は再就職を目指すが「言葉」がネック。「自動車工場には通訳がいて不自由しなかった。今は日本語ができないと仕事に応募できない」とあせる。
2次部品メーカーでは正社員にも厳しい現実が迫る。倉敷市の男性(37)は1月末、5年半勤めた市内の樹脂加工会社から解雇された。「リストラはひとごとと思っていた。自分の身に降りかかってくるとは」とショックを隠せない。
【写真説明】大幅な減産で期間・派遣従業員の削減が相次ぐ三菱自動車水島製作所