東京証券取引所第一部に上場する主要企業の二〇〇九年三月期の配当金総額が、過去最高だった前期より10・7%減少し、約六兆三百億円にとどまる見通しであることが五日、新光総合研究所の調べで分かった。昨年後半からの景気の急激な悪化で業績が急低下したためだ。新光総研は「配当はさらに減少する」と予想。配当は株価を下支えする効果があるだけに、株価にも悪影響を与えそうだ。
東芝は中間配当五円を実施したが、下半期の急速な業績悪化で、〇九年三月期の連結純損益予想を二千八百億円の赤字に引き下げ、七年ぶりに期末配当を見送る。第三・四半期まで二十五円五十銭配当した野村ホールディングスも期末無配を決めた。ホンダなど業績の見通しが立たないために期末配当を「未定」に変更する企業も多い。金融危機による資金繰り不安から現金の流出を極力抑えたいとの意向も働いているとみられ、最終的な配当総額は一段と下振れする可能性が高い。
〇八年九月中間決算を終えた時点では年間配当総額が七年ぶりに減少に転じるが、微減にとどまる見通しだった。しかし、下半期は多くの企業が赤字に転落、新光総研の四日時点の集計で〇九年三月期決算の経常利益予想が前期比50・2%減になるなど、大幅減益が予想されているため配当の減少につながった。
総研の
配当総額の集計対象は、東証一部に上場する三月期決算の千三百七十三社。