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2009年02月05日(木) 00時00分

広島牛の体外受精実用化に力中国新聞

 肉質の良さから市場評価の高い広島牛の流通量を増やし、農家の経営を安定させようと、広島県は新年度、体外受精の実用化に向けた研究に乗り出す。乳牛に広島牛の受精卵を移植して子牛を産ませる技術をさらに進化させるためで、雌牛の体内で人工授精させる現在の方法に比べ、供給できる受精卵は5倍に増える見込みだ。

 現在の方法は体内受精させた広島牛の受精卵を取り出し、乳牛に移植する。県が2006年度から3年間かけた研究で受胎率が40%未満から60%を超えるまでになった。ただ、ホルモン剤で雌牛を発情状態にして排卵を促すため負担が大きく、一頭当たり年間3回ほどに限られ、採取できる受精卵も約20個だった。

 体外受精の研究は、県立総合技術研究所畜産技術センター(庄原市)に委託。雌牛の卵巣から微細な針で卵を直接吸い出し、体外受精させる技術の確立を目指す。未成熟な卵でも培養して使うため、年間100個の受精卵を採取できるという。実用化すれば全国でも先進的な取り組みになる。

【写真説明】乳牛に移植する広島牛の受精卵(広島県畜産技術センター提供)

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200902050027.html