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2009年02月05日(木) 20時49分

拿捕の乗組員解放で合意 鳥取・境港の水産会社中国新聞

 鳥取県境港市の水産加工会社「日吉水産ひよしすいさん」所有のカニかご漁船第38吉丸よしまる安藤正史あんどう・まさふみ船長ら十人乗り組み)がロシア当局に拿捕だほされた事件で、同社の岩田慎介いわた・しんすけ社長は五日、記者会見し、ロシア当局と乗組員全員の解放と船の引き渡しで合意したことを明らかにした。既に保証金を送金したという。

 ロシア国境警備当局者は同日、保証金の入金が確認されれば、二十四時間以内に解放すると述べた。保証金の額や身柄の引き渡し方法などは、双方とも明らかにしていない。岩田社長は「入金確認は相手の事情もあり、解放は早くても週明けになるのではないか」との見通しを示した。

 ロシア当局は、違法操業の疑いで行政罰を求める手続きを始めており、ロシア側が損害賠償や罰金を科した場合、保証金から支払われることになる。

 岩田社長は「乗組員の解放に絞って交渉してきた」と説明。法的な手続きへの対応については「乗組員が取り調べ中なので分からない」と話した。

 船は一月二十四日に境港を出港。一週間の予定で日本海で操業していたが、二十七日夜に境港市の北約四百八十キロの「北大和堆やまとたい」と呼ばれる水域で拿捕された。二十八日にロシアのナホトカに連行され、乗組員はロシア当局から事情聴取を受けており、日本政府が早期解放を働き掛けていた。

 乗組員は二十—六十代で、鳥取のほか島根県の人もいるという。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200902050303.html