記事登録
2009年02月04日(水) 22時15分

新潮社社長にも賠償命令 貴乃花親方が勝訴中国新聞

 大相撲の貴乃花たかのはな親方夫妻が八百長疑惑や相続問題をめぐる週刊新潮の記事で名誉を傷つけられたとして、約三千七百万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は四日、「記事は真実ではない」とし、発行元の新潮社や佐藤隆信さとう・たかのぶ社長らに計三百七十五万円の支払いと同誌への謝罪広告掲載を命じた。

 名誉棄損訴訟で大手出版社社長の賠償責任が認められるのは異例。

 新潮社側は「経営陣は編集に関与しないという社内ルールがある」と主張したが、松本光一郎まつもと・こういちろう裁判長は「出版社社長は名誉棄損などの権利侵害を防ぐ責任を持つ。同社では法的知識や裏付け取材の在り方に関する意識が不十分で、有効な対策が取られていなかった」と社長の過失を認定。取締役の賠償責任を定めた旧商法の規定を適用した。

 同種の裁判では、法廷内の隠し撮り写真の掲載をめぐり「違法行為を繰り返した」として佐藤社長に賠償が命じられたケースがある。

 判決によると、週刊新潮二〇〇五年六月三十日号などは、一九九五年の九州場所で横綱だった貴乃花親方が、兄で当時の大関若乃花に敗れた優勝決定戦をめぐり、父親の先代二子山親方から八百長をするよう示唆されたなどと掲載した。

 訴訟では昨年十月、貴乃花親方が出廷し「八百長といわれるような相撲を取ったことはない」と証言していた。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200902040306.html