幼児を連れてタクシーに乗り、運転手に用を頼んだすきに売上金を盗んだとして、広島中央、安佐南署などの共同捜査本部は四日、広島市東区牛田本町五丁目、無職田尻芳恵容疑者(33)を窃盗の疑いで逮捕した。
調べでは、田尻容疑者は昨年十二月二十日昼、幼い娘二人を連れタクシーに乗車。中区八丁堀で、運転手男性(65)に「子どもの手が離せない」と言ってジュースなどを買いに行かせたすきに、車内のバッグから現金三万円を盗んだ疑い。
中央署によると、運転手に買い物を頼んだり、乳母車を積ませたりするすきに現金を盗む手口の被害が昨夏から市内で十数件発生。目撃証言などから田尻容疑者の犯行の可能性もあるとみて慎重に調べる。
県タクシー協会は一月、注意を促すファクスを会員全社に送付。被害に遭ったタクシー会社の担当者は「子どもを使い、親切心の裏をかく行為」と憤慨していた。