【モスクワ4日共同】鳥取県境港市の水産加工会社「日吉水産」所有のカニかご漁船第38
日本側は保証金をめぐってロシア側と交渉中。ロシア側の提示額は明らかにされていないが、同社が支払いを受け入れ送金すれば、ロシアは国連海洋法条約に基づき、乗組員を速やかに解放しなければならない。また同社が保証金を不当に高額と見なせば、ドイツ・ハンブルクの国際海洋法裁判所に提訴し、司法判断を仰ぐことも可能だ。
日本外交筋によると、ロシア国境警備当局は先月、違法操業の疑いで行政罰を求める手続きを開始。当局が行政罰に相当すると認めれば、損害賠償や罰金の支払いを同社に求めるとみられる。今のところ、刑事事件として船長らが立件されたとの情報はない。
ロシア国境警備当局は、同船を沿海地方ナホトカに連行し、漁獲許可の書類を持たずにロシアの排他的経済水域(EEZ)に入った理由などを船長らから聴取した。同船の乗組員十人は事実上、船内に拘束されており、日本政府は早期解放を働き掛けている。