2009年02月04日(水) 19時23分
パナソニック 国内外27工場を閉鎖、1万5千人削減へ(毎日新聞)
パナソニックは4日、国内外の製造拠点27カ所を年度内に閉鎖し、10年3月までにグループ全体で正社員、非正規社員合わせて1万5000人規模の人員削減を実施する方針を発表した。世界経済の急減速で主力の薄型テレビなどの収益が悪化しているため、経営体質の強化を図る。電機業界ではNECが2万人超、ソニーが1万6000人以上の削減、日立製作所も配置転換を含め7000人の人員削減を発表しており、雇用情勢の悪化に拍車をかけそうだ。
また、世界的に薄型テレビ市場の伸びが鈍化していることから、兵庫県尼崎市と姫路市に建設中のプラズマ、液晶パネル新工場の操業開始時期を半年間延期する。尼崎は今年5月から同11月に、姫路は10年1月から同7月になる。
生産拠点の閉鎖は国内では藤沢や岐阜など13カ所、海外はマレーシアやフィリピンなど14カ所を予定。こうした構造改革により、09年度は1000億円のコスト削減効果を見込んでいる。さらに09年度も拠点の統廃合を進め、国内外で20カ所程度を追加で閉鎖する方針という。
09年3月期の連結業績予想については、最終(当期)損益が従来予想の300億円の黒字から3800億円の赤字(前期は2818億円の黒字)に転落し、6年ぶりの最終赤字になる見通しになったと発表した。景気減速や円高のほか、リストラ費用を昨年11月時点の見込み(1550億円)よりも1900億円上積みし、計3450億円としたことなどが響いた。
売上高も従来予想の8兆5000億円から7兆7500億円(前期比14.5%の減収)に、本業のもうけを示す営業利益も3400億円から600億円(前期比88.5%の減益)の見通しにそれぞれ下方修正した。
このため今年2月から当面、大坪文雄社長をはじめ役員の報酬を10〜20%、管理職約1万人の賃金を5%カットする。【新宮達】
◆パナソニックの主なリストラ策
・10年3月末までに、国内外で正社員を含む1万5000人を削減
・国内13、海外14の生産拠点を09年3月末までに閉鎖
・プラズマパネルの尼崎第3工場の稼働(09年5月)、液晶パネルの姫路工場の稼働(10年1月)をそれぞれ半年延期
・2月から役員報酬を10〜20%、管理職の賃金を5%それぞれカット
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