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2009年02月04日(水) 17時34分

パナソニックが09年3月期当期赤字3800億円、1万5000人削減ロイター

 [東京 4日 ロイター] パナソニック<6752.T>は4日、2009年3月期の連結当期損益が3800億円の赤字になる見通しだと発表した。昨年秋以降の深刻な世界不況に伴う消費不振を受け、主力の薄型テレビなどの販売が失速。
 環境悪化に対応するため国内外で27カ所の製造拠点等を廃止し、今年度と来年度にかけて正社員を含む1万5000人を削減する。
 08年3月期は2818億円と過去最高の当期利益を計上し、09年3月期も当初は3100億円と2年連続の最高益更新を目指していたが、世界的な景気大失速が直撃し、6年ぶりの赤字に転落することになった。3800億円の当期赤字は2002年3月期の約4300億円に次ぎ過去2番目に悪い業績になる。
 昨年11月末時点の見通しでは当期損益は300億円の黒字見通しだったが、09年度3月期に従来1550億円と見込んでいた構造改革費用を1900億円追加し、3450億円とすることが響く。拠点廃止や人員削減のほか、不採算事業からの撤退と固定資産の減損を実施する。
 3800億円の当期赤字予想は、トムソン・ロイター・エスティメーツによる過去30日間の主要アナリスト13人の予測平均値341億円を大きく下回った。8兆5000億円と見込んでいた売上高は前年比14.5%減の7兆7500億円に引き下げた。
 <薄型テレビが年間で赤字に>
 営業損益は600億円の黒字を見込み、赤字は回避するが従来予想(3400億円)から大幅に減額となる。会見した上野山実取締役によると薄型テレビは年間で赤字の見通しだ。
 人員削減は正社員と非正規従業員を対象とし、国内と海外が半分ずつ。拠点閉鎖や人員削減により、2010年3月期に1000億円のコスト削減を実施するほか、追加の構造改革や緊急経営対策によるコスト削減を進める。2010年3月期の製造拠点等の追加削減について、「来年度においても、それ(今回打ち出した27拠点)に近い数字が出てくる」(上野山取締役)としている。
 (ロイター日本語ニュース、浜田健太郎)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090204-00000907-reu-bus_all