2009年02月04日(水) 16時04分
パナソニック、3800億円の最終赤字に(ITmediaニュース)
パナソニックは2月4日、2009年3月期の連結業績予想(米国会計基準)を下方修正し、最終損益が3800億円の赤字になる見通しだと発表した。消費不振や価格下落に加え、円高が追い打ちをかけた。同社の最終赤字は6期ぶり。今後も厳しい市場環境が続くとみており、全世界で1万5000人規模の人員削減に踏み切る。
修正後の予想は、売上高が7兆7500億円(従来予想から7500億円減)。営業利益は600億円の黒字(同2800億円減)、税引き前損益は3800億円の赤字(同4800億円減)となる見通し。配当予想も年間30円(従来予想は45円)に修正し、前期実績から5円の減配となる。
販売落ち込みは1〜3月期にさらに悪化する見通しで、売上高の下方修正分のうち1〜3月期分は6000億円に上る。特に企業向けの落ち込みが大きい。通期では600億円の営業黒字を確保するとしたが、4〜12月期の累計営業利益・2545億円からは大幅に減少。販売低迷に伴い、1〜3月期に2000億円近い営業赤字を見込んでいるためだ。
デジタル家電などを扱うデジタルAVCネットワークの4〜12月期の累計売上高は前年同期比で7%減の2兆8389億円。10〜12月期に限れば、同 23%減の8698億円に落ち込んだ(現地通貨ベースでは12%減)。10〜12月期はプラズマテレビ売上高が25%減(4〜12月期累計では3%減)、デジタルカメラが32%減(同11%減)に。薄型テレビの価格下落率は想定を10ポイント上回る年間30%を見込むなど、消費低迷と価格下落のダブルパンチに加え、円高も大きく影響している。
業績悪化を受け、国内外27カ所の製造拠点を閉鎖し、10年3月期中に正社員を含め全世界で1万5000人規模の人員削減・配置転換を実施する。10年3月期には1000億円のコスト削減につなげる考えだ。09年3月期は構造改革費用として1900億円を積み増し、総額3450億円を計上する。
ただ、厳しい市場環境は来期以降も続くと覚悟しており、来期の営業益は「今期から3000億円くらいの減少もありうる」(上野山実取締役)。1000億円のコスト削減策に加え、構造改革や追加のコスト削減策も検討する。
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