2009年02月04日(水) 08時58分
パナソニック、NeoPDP搭載の“VIERA”「Zシリーズ」を発表(+D LifeStyle)
パナソニックは2月3日、薄型テレビ“VIERA”の新製品として、厚さ1インチのスタイリッシュモデル「Zシリーズ」など3シリーズ計13機種を発表した。
【表:各モデルの価格】 【他の画像】
Zシリーズは、1月の「2009 International CES」で発表された北米モデル「Z1」とほぼ同等の製品ながら、新たに54V型と46V型を加えた3サイズをラインアップ。4月下旬に発売される。
同社の新世代パネル“NeoPDP”(ネオ・プラズマパネル)の採用により、最も厚い部分でも24.7ミリという薄型化を実現。チューナー部を別体にしたセパレートデザインとし、別売のWireless HD対応ワイヤレスユニット「TU-WH1J」(6万円前後)と組み合わせれば、1080pのハイビジョン映像の非圧縮伝送が可能だ。またスピーカーも着脱式で、取り外したときの重量は54V型で約30.5キログラム、46V型なら約23.5キログラムという。「壁掛け、壁寄せでスタイリッシュな省スペース設置が可能になる、“スタイルを極めた”Zシリーズ」(同社)。
インタフェース類を集約するチューナーユニットは、DIGAシリーズに似たデザイン。4系統のHDMI入力をはじめ、3系統のビデオ入力やPC入力用のD-Sub15ピンなどを備える。リモコンは新たに2.4GHz帯の無線方式を採用。どこを向いても操作できるようになった。
●電極の幅を広げて効率アップ
注目のネオ・プラズマパネルは、複数の要素技術を組み合わせて高効率化を目指したPDP。新しい蛍光体、新しいセル構造、駆動の低電圧化の3つが柱とされているが、電力ロスを抑えた新しい駆動方式や蛍光体については“ブラックボックス技術”として詳細を明かしていない。ただし今回は、1画素単位で発光効率を向上させる技術について、分かりやすい模型が用意されていた。
「バス電極」と書かれた黒い線が、従来よりも外側に配置され、内側の“放電領域”が大きくなっている。つまり、光る場所が広くなったため、面積あたりの光量が向上。発光効率は2007年モデル(PZ750シリーズなど)の約2倍になっているという。「今までは周辺画素への影響があり、電極の幅を広げることができなかった。ネオ・プラズマパネルでは、新しい蛍光体や放電ガス、セル構造の変更などにより、その影響を抑えることができた」(同社)。
パネル前面(写真では裏側)には、2008年モデルから採用されたダイナミック・ブラック・レイヤーを形成。予備放電を抑えて黒を沈めた。最大18bitのデジタル信号処理回路などと合わせ、4万:1(全黒と白では200万:1)のコントラスト比を実現した。色域はデジタルハイビジョン放送の規格を100%カバー。もちろんx.v.Colorもサポートしている。
動画表示の改善も大きな特徴だ。Zシリーズでは、1コマの表示時間をさらに短くしたことで、apdc(次世代PDP開発センター)方式の動画解像度で上限値となる1080TV本を実現。これもネオ・プラズマパネルや新しい駆動方式の恩恵という。
使い勝手の面では、前述の無線式リモコンのほか、独自のユーザーインタフェース「らくらくアイコン」、ハイビジョン動画も再生できるSDメモリーカードスロットなどが特徴。またビエラリンクは、1月に発表された「Xシリーズ」で採用された自動節電機能付き。テレビの視聴状況に応じて、使用していない接続機器の電源を自動的にオフにする「こまめにオフ」や、ビエラを視聴していないときに接続した「DIGA」の待機電力モードを自動的に最小に切り替えて節電する「ECOスタンバイ」機能を備えている。
「YouTube」や「アクトビラ・ビデオ・フル」、DLNAクライアント機能といったネットワーク機能も充実。同社製センサーカメラや「どこでもドアフォン」との連携も可能だ。発表会であいさつに立ったパナソニック、デジタルAVCマーケティング本部の西口史郎本部長は、「既に68%の家庭にブロードバンド接続があり、その47%が光ファイバー(いずれも2008年)。テレビは放送受信機の域を超え、コミュニケーションインタフェースの核となる」と話している。
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