2009年02月04日(水) 05時05分
「円天」事件、L&G会長ら22人に逮捕状…組織詐欺容疑(読売新聞)
健康商品販売会社「L&G」(東京・新宿、破産手続き中)が高額配当をうたい文句に会員約5万人から約2260億円を集めていた事件で、警視庁は3日、波和二(なみかずつぎ)会長(75)ら経営陣など計22人について、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)容疑で逮捕状を取った。
同庁は、波会長らが経営の行き詰まりを認識しながら、組織的に多額の出資を募り続けていた疑いが強いとみており、5日にも一斉逮捕に踏み切る。
豊田商事事件や八葉グループ事件に匹敵する巨額詐欺事件に発展する見通しになった。
同庁関係者などによると、L&Gは1987年の設立後、健康寝具販売を続けていたが、99年頃に経常赤字に陥った。2001年頃から、「1口100万円預ければ、年利36%の配当を支払う」などとうたって出資させる業態に変更、出資者を募ったが、04年には、累積債務が前年の約2倍の124億円に膨張するなど、破綻(はたん)の兆しが見えていた。
しかし、同社はこの時期と前後して、独自通貨の電子マネー「円天」を開発。出資額と同額の「円天通貨」を毎年携帯電話に送信する手法などを取り入れ、出資金を集め続けた。
破産管財人によると、同社は破綻の兆しが見えていた04年以降、約2080億円を集めていたことが判明。同社はこれらをほとんど運用せず、会員の配当に回すだけだったため、07年には負債総額が約880億円に達した。そのため、同年10月、被害対策弁護団が東京地裁に破産を申し立て、警視庁も出資法違反容疑で同社などを捜索した。
同庁では、経営の行き詰まりが見え、配当を行う見通しが立たない中でも、波会長らが組織的に資金を集め続けていた行為が詐欺にあたるとみている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090203-00000067-yom-soci