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2009年02月04日(水) 00時00分

日テレ、TBSが帯番組読売新聞

平日夜7時台、NHK追撃へ

 日本テレビは4月から、生放送のバラエティー番組「サプライズ」(月〜金曜後7・00)をスタートさせる。TBSも3月30日から、ニュース番組「総力報道!THE NEWS」(月〜金曜後5・50)を始める。NHKの強さが目立っている平日午後7時台の勢力図に変化は訪れるのか。(小林佑基)

 「サプライズ」は、日テレ初となるゴールデンタイムの生の1時間帯番組。「今の日本が分かる」という共通テーマを掲げ、「知的欲求を満たすバラエティー」「家族で世の中を考える」など、毎日違うテーマで番組を作る。司会は、くりぃむしちゅー、爆笑問題、ウエンツ瑛士、えなりかずき、読売テレビの辛坊治郎解説委員が曜日ごとに交代する。また、山瀬まみが木曜以外の司会者として登場する。

 予定されている企画は、携帯電話などを使った視聴者投票や、密着系ドキュメンタリー、司会者が直接取材するコーナーなど。5日間共通のコーナーも設ける。ワイドショーを作る情報エンターテインメント局でなく、バラエティーを作る制作局が番組を制作し、「敷居の低い番組」を目指すという。

 日本テレビの三觜雅人プロデューサーは「生放送には、かつてのテレビにあったワクワク感がある。初めてのことだらけだが、視聴者の求めているものをいかに切り取れるか。日テレのエポックになるような番組にしたい」と話している。

 一方、TBSの2時間報道番組「THE NEWS」は、午後7時からのNHK「ニュース7」と真っ向勝負。このため、「実況中継型報道番組」を目指し、ニュースの当事者が生出演したり、独占インタビューを交えたりする。

 アンカーには、「NEWS23」キャスターの後藤謙次、キャスターには小林麻耶を起用。さらに、元女子マラソン金メダリストの高橋尚子が不定期でスペシャルスポーツキャスターを務める。TBSの谷上栄一報道番組センター長は、「ニュースの中のニュース、『これぞニュースだ』というものを目指す」と話している。

 近年、社会人の帰宅時間が遅くなったことなどが理由で、平日午後7時台はテレビの視聴者自体が減っている。総世帯視聴率(関東地区、ビデオリサーチ調べ)は、1996年に68・8%だったものが2007年には62・8%にまで低下し、特に民放の減少が目立つ。1997〜2008年の2月第2週の視聴率を見ると、平日午後7時台で20%を超えた民放番組は、97年は3本、00年は4本あったが、03年あたりから減り、06年以降はゼロが続く。一方で、「ニュース7」は、10%台後半で安定して推移している。

 碓井広義・東京工科大学メディア学部教授(メディア論)は「最近は、不況で早く帰宅した人もNHKニュースに流れ、NHKの独り勝ち状況。それを打開するための改編だろう。局側にとっては制作費の削減、飽きられていた番組のリストラなどが一挙に狙えるチャンス」と指摘する。また、「日テレ、TBSとも局イメージに沿った変革で、一歩抜けだそうとする意欲を感じる。クイズやお笑いに飽きた視聴者に受け入れられるのでは」と話している。

http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/tv/20090204et05.htm