衆院予算委員会は4日、麻生太郎首相と全閣僚が出席して2009年度予算案に関する2日目の基本的質疑を行った。
首相は官僚OBが再就職を繰り返す「渡り」に関連し、省庁が関与せずにOBが直接引き抜くケースについて「役所の官房がかんでない話は天下りとは言えない。退職した人の人脈に役所が介入することはできない」と述べ、規制は困難との認識を示した。民主党の長妻昭氏への答弁。
長妻氏は再就職あっせんを一元的に行う「官民人材交流センター」に関し、官僚の早期退職慣行が是正された場合の廃止を要求。河村建夫官房長官は「社会保険庁のような組織の改廃による再就職や官民人材交流もある」と述べた。
民主党の前原誠司副代表は「渡り」の受け皿ともなっている公益法人の即時撤廃を要求。首相は「現実的には難しい。必要性があったからできてきた」と拒否した。
深刻化する雇用情勢について首相は「余力がある企業は雇用を支えるようにすべきだ」と企業側の協力を重ねて要請。社会保障費の抑制目標には「流れとして2200(億円の抑制)は限度に来ている」との認識をあらためて表明した。
また首相は「景気、経済、雇用対策がたぶん国民の最大の関心事。選挙と思ったことはない」とも述べ、衆院解散は09年度予算案の成立後に検討する考えを強調した。
日本郵政が「かんぽの宿」をオリックス不動産へ一括売却する契約を結んだ問題では、参考人として出席した日本郵政の西川善文社長が「原点に立ち戻り検討したい。ゼロから検討する」と述べ、社内の「検討委員会」で検証する考えを重ねて示し、鳩山邦夫総務相は「国民が理解できない不透明な状況であるならば、契約は履行されないだろう」と指摘した。
前原、長妻両氏のほか民主党の菅直人、共産党の志位和夫、国民新党の下地幹郎各氏への答弁。
(2009年2月4日23時11分 スポーツ報知)
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090204-OHT1T00342.htm