麻生太郎首相が2日の自民党役員会で、定額給付金について「受け取る意思はない」と明言していたことが分かった。複数の党幹部が4日、明らかにした。首相はこれまで受給するかどうか態度を明確にしていない。高額所得者の受給に関し「さもしい」と発言したことを考慮したとみられる。ただ首相はその後、景気刺激の観点から高額所得者も受給すべきだと強調し、既に多くの閣僚が受け取る意向を表明。野党が国会審議で整合性を追及するのは必至で、与党内でも制度への疑問が再燃しそうだ。
複数の党幹部によると、首相は党役員会の席上、給付金の受給について「そろそろ意思を明確にするほうがいい」と提案された。いったんは「まだ決めてない」と述べたが、出席者の1人が「いつまでも意思表示しなければ、優柔不断だと思われる」などと指摘すると、受け取らない考えを表明したという。
首相はこれまで衆院予算委員会などで「2008年度第2次補正予算が成立し、地方に配分される段階で判断する」としていた。出席者の1人は「同席者のほとんどは当然受け取ると思っていたので、あきれたような雰囲気だった」と語った。
首相は昨年12月の国会答弁で「多額の金をもらっている人が1万2000円をちょうだいというのはさもしい。人間の矜持(きょうじ)の問題」と述べ、高額所得者は自発的に受給を辞退するのが望ましいとの見解を示した。
しかし1月6日には「生活給付金というイメージでスタートしたが、経済情勢が大きく変わった。消費刺激の方に重点が置かれている」として受給を促す方針に転換。その後「さもしい」との発言も事実上撤回した。
これを受け、閣僚17人のうち11人が受け取る意向を表明。当初は辞退する方針だった公明党の太田昭宏代表も受給する考えを示している。
(2009年2月4日20時37分 スポーツ報知)
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