トリックを凝らした推理小説や、職人の誇りと人情の機微を描いた小説で知られる直木賞作家の泡坂妻夫(あわさか・つまお、本名厚川昌男=あつかわ・まさお)さんが3日午後6時36分、急性大動脈解離のため東京都内の病院で死去した。75歳。東京都出身。葬儀・告別式は7日午前11時から東京都豊島区南池袋2の20の4、沙羅ホールで。喪主は妻厚川耀子(あつかわ・ようこ)さん。
高校卒業後、家業を継いで和服に紋を描く紋章上絵師に。その傍ら推理小説専門誌「幻影城」の新人賞佳作に選ばれ、40歳を過ぎて作家になった。名探偵「亜愛一郎」が登場する本格推理で読者を獲得。「乱れからくり」で1978年に日本推理作家協会賞を受賞した。
人情話の書き手としても評価が高く、88年に「折鶴」で泉鏡花文学賞、90年には下町の紋章上絵師を主人公にした「蔭桔梗」で直木賞を受賞した。
作家として活躍するようになってからも絵師の仕事を続け、職人かたぎを守り通した。奇術師という顔も持ち、直木賞の受賞記者会見では、求めに応じて奇術の腕前を披露したことでも話題になった。
(2009年2月4日19時38分 スポーツ報知)
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090204-OHT1T00246.htm