シャープの2009年3月期の連結営業損益が、従来予想の1300億円の黒字から100億円程度の赤字に転落する見通しとなったことが4日、分かった。世界的な景気後退による液晶テレビの採算悪化に加え、主力工場の減価償却を前倒しするなど構造改革費用も膨らむため。
営業赤字は1956年に東京証券取引所に上場して以来、初めて。6日に08年4—12月期決算と合わせて業績修正を発表する。
主力の液晶テレビの需要が伸び悩んでいる上、急激な価格下落で収益が悪化。円高や液晶パネルの需要減も利益を圧迫する。テレビやパネルの在庫を減らすほか、主力生産拠点の亀山工場(三重県亀山市)の減価償却費を前倒しで計上。将来の経費負担を減らすことで、来期以降の競争力向上につなげる。
このほか資本・業務提携に伴って取得したパイオニア株などの価格下落で、約430億円の評価損を特別損失として計上。液晶パネルの価格カルテルをめぐる罰金の支払いも計上するため、純損益は従来予想の600億円の黒字から、1000億円近い赤字になる公算が大きい。
(2009年2月4日11時07分 スポーツ報知)
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