オバマ米大統領が厚生長官に指名したダシュル元民主党上院院内総務(61)が3日、指名を辞退した。納税漏れが発覚し、上院の承認が難航した責任を取った。大統領はCNNテレビに対し「わたしの大失敗だ」と自らの責任を認めた。大統領は重要課題である医療保険改革の総責任者にダシュル氏を任命していただけに、政権運営への影響は必至。新政権の閣僚や高官の不祥事が相次ぎ、大統領は就任後最大の試練に立たされた。
大統領は国民に誤ったメッセージを送ってしまったと述べ「この過ちの責任はわたしが取る」と明言した。既存の政治を変革し、行政の透明性向上などをうたってきた大統領にとって手痛い失点となる。
ギブズ大統領報道官は記者会見で「これで医療保険改革への取り組みが失速することはない」と強調した。
ダシュル氏は上院議員引退後の2005年から07年にかけ、企業のコンサルタント料などの所得申告を怠り、厚生長官指名後の今年1月に金利分を含む約14万ドル(約1250万円)を納めた。
2日には上院を訪問して納税漏れを謝罪。しかし3日付のニューヨーク・タイムズ紙も社説で指名辞退を求めるなど、急速に風当たりが強まっていた。
大統領は3日、商務長官に共和党のグレッグ上院議員を指名し、スキャンダルで指名を辞退したリチャードソン・ニューメキシコ州知事の穴を埋めたばかり。
同日にはホワイトハウスで行政の効率性を監督する担当官に指名されていたキルファー元財務次官補も税務上の理由で指名を辞退。ガイトナー財務長官も納税漏れで上院の承認が遅れるなど、政権の中心メンバーの失態が続いている。(共同)
(2009年2月4日10時24分 スポーツ報知)
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090204-OHT1T00183.htm