大阪府の橋下徹知事(39)は3日、府立高校の校長を対象にした毎日新聞のアンケートで、進学指導に特色を置いた学校を設置するとの府教育委員会の方針に7割近くが反対する結果が出たことに「僕はできないが、どうやって(校長の)首を飛ばすか」と不満をあらわにした。発言は府教委に批判的な校長への脅しとも取れ、波紋を呼びそうだ。一方、同日出演したテレビ番組内では「(過激発言しないと)組織は動かない」と釈明し、理解を求めた。
大阪府の「教育日本一」を掲げ、教育改革に執念深く情熱を燃やす橋下知事が、“超エリート校”の設置に反対する7割の府立高の校長に対し、「僕はできないが、どうやって(校長の)首を飛ばすか」と過激に反応してみせた。
毎日新聞は3日付の大阪本社版朝刊の1面トップで、府立高校の校長全員にアンケートした結果、回答者の7割が「進学実績を上げるため、10校を学区制限のない『超エリート校』とする方針に反対した」と報じた。これに対し、橋下知事は記者団に「進学したい子供はどこに行けばいいのか。私立しかないじゃないか。頭にきた」とまくし立てた。
この日、橋下知事は毎日テレビの情報番組「ちちんぷいぷい」(関西ローカル)に生出演。ここでも大阪府の教育が話題になり「今の教育の何かがおかしいってところから入らないと。今の大阪は普通以下なんです」「教育委員会ははっきり言ってお飾りだった」と批判を繰り広げた。自身が起用した陰山英夫教育委員による「百マス計算」を導入した50校が結果を出していると強調し、「文句あるんだったら対案を出してください、と。今までやってきたことを否定して、まず新しいことに挑戦しないと」と訴えた。
「公立校の質が上がらないから私立に通わせている」との視聴者の意見には、橋下知事は「これがやりたいから知事になった。公立のレベルアップが絶対必要」と我が意を得たりと言わんばかり。「今、手をつけないと今のまんま」「保護者の価値観が届いていない」「府民の声を取り込む仕組みになっていない」と話し、同局の世論調査で89・5%の高支持率を得たことから「やっぱり(府民の支持する)僕の価値観に合わしてもらわないと」と強引に締めくくった。
一方、同日夕の同局の報道番組「VOICE」(関西ローカル)で、知事の「言葉遣い」を問題視する府民の声を伝えられると「ハハハハッ。そういう風に言わないと組織が動かないこともご理解いただきたい」と、相次ぐ過激発言も計算の内だとして笑い飛ばしていた。
(2009年2月4日06時02分 スポーツ報知)
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090204-OHT1T00043.htm