大阪府在住の103歳の男性が昨年4月、年金記録の漏れを自ら見つけ、男性の息子が年金相談センターで記録訂正を請求したが、9か月以上たった現在でも増額分が支払われていないことが3日、明らかになった。民主党議員が党会合で報告した。未払い年金は約500万円に上るとみられ、埼玉県に住む息子は「父は高齢なので、急いで払ってほしい」と訴えている。社会保険庁によると、仮に未払いがある年金受給者が死亡した場合、離れて暮らす遺族に年金が払われる可能性は低いという。
民主党議員の報告によると、103歳の男性は、昨年4月に記録漏れの可能性が低いとされる黄緑色の「ねんきん特別便」を受け取った際、厚生年金加入期間の記録が1年8か月分抜けていることに気付いた。
話を聞いた埼玉県に住む60代の息子が東京都内の年金相談センターで記録訂正を請求したところ、窓口の職員は「過去5年の未払い分は6か月前後で支払う」と説明。ところが、10月になっても支払われないため、再度問い合わせると「請求から1年前後かかる」と言われたという。
未払い年金は約500万円に上るとみられ、男性の息子から「父は高齢なので、急いで払ってほしい」と民主党に訴えがあったという。
社会保険庁によると、昨年12月現在、訂正処理の滞留件数は約90万件に上っている。今回の件について、同庁年金保険課では「全国からの問い合わせがあった順番に処理している。現段階で、支払いは最短で3〜4月になる」としている。
昨年11月には、記録漏れで受給資格のない無年金者とされた93歳の女性が、総額約1200万円とみられる全額を受け取らずに死亡していたことが発覚。未払い分は今年1月までに、遺族に支払われた。
仮に未払いがある年金受給者が死亡した場合、「遺族が生計を同じにしていれば、『未支給年金』としてその遺族に未払い分を支払う」(年金保険課)。年金受給者と遺族が離れて暮らしていた場合、「状況をみて判断することになるが、支払いは厳しくなる」(同)という。
(2009年2月4日06時02分 スポーツ報知)
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090204-OHT1T00031.htm