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2009年02月03日(火) 06時02分

19府県でゴルフ場荒らし…7年間で950万円相当盗むスポーツ報知

 ゴルフ場の茶店に狙いを定め“自給自足”のサバイバル生活を送っていた窃盗犯が逮捕されていた。広島県警三原署は2日までに、山あいのゴルフ場などを転々としながら現金や食料品を繰り返し盗んだ窃盗の容疑で無職の石崎保利被告(49)=窃盗罪で公判中=を追送検した。富山、石川など19府県で216件、計950万円相当の盗みをしたとみて捜査していた。盗んだ現金は約755万円で、送検したのはこのうち25件。

 三原署によると、石崎被告は2002年から08年の約7年間で、ゴルフ場のコース途中にある茶店を狙い、ガラスを割って侵入。冷蔵庫にあるビールや日本酒を飲むと、その場にあった材料を使ってチャーハンなどを作って“腹ごしらえ”。満腹になると、金庫を探し、バールなどを用いて現金を盗んでいたという。

 「警察官から職務質問をされる心配がなく、人も来ない」と寝袋を持参しての山での生活を続けていた。冬場は、落ち葉を拾い集め、体に掛けるという原始的な手法で寒さをしのいでいたようだ。ターゲットにしたゴルフ場の茶店に食料品などがなくなると、数日間かけて山を徒歩で移動したり、盗んだ金で電車での移動を繰り返したという。

 石崎被告の山中転々ライフは08年7月に、三原市の会社敷地で野宿していたところを建造物侵入の疑いで現行犯逮捕され終了した。捕まったのは広島県だが、サバイバル生活は、広島、山口、岡山など中国地方だけでなく、富山、石川、山梨、長野、岐阜など中信越、大阪、京都、兵庫など近畿圏に、高知県以外の四国3県など計19府県に及んでいた。約10年前からゴルフ場の茶店を狙い、同様の手口を繰り返していたという。

 追送検の容疑は05年2月3日、山口県の岩国市にあるゴルフ場に侵入。おでん27本など食料品33点(約7500円相当)を盗んだ疑い。捜査関係者は「腹が減ったら盗みを繰り返す、その日暮らしを続けていた。着の身着のままの状態で、山で過ごす冬はきついのでは」と話している。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090203-OHT1T00084.htm