2009年02月03日(火) 21時39分
グーグル 「ストリートビュー」今後は自治体へ事前説明(毎日新聞)
個人の住宅などを撮影した画像をインターネットで無料公開する「ストリートビュー」について、運営するグーグル社(東京都渋谷区)は3日、画像を公開する場合、関係自治体に事前説明する方針を表明した。東京都情報公開・個人情報保護審議会で、担当者が明らかにした。プライバシー侵害などを懸念する声があり、担当者は「説明が足りなかったと反省している」と述べた。
グ社によると、公開の場でストリートビューの説明をしたのは初めて。グ社ポリシーカウンセルの藤田一夫氏らがサービス内容を説明。委員からサービス開始前に被写体とされた当事者に異議を表明する機会を与えなかった理由や、プライバシーに関する検討状況について質問が相次いだ。藤田氏は「事前に説明しておけばよかった。日本にはプライバシーを専門に扱う機関がないと判断した。詰めが甘かった。これからは積極的に説明したい」と述べた。
都には昨年8月のサービス開始以来、約40件の意見や苦情が寄せられた。審議会は(1)個人情報保護法が定める個人情報(特定の個人を識別できる情報)に当たるか(2)個人情報に当たらなくてもプライバシー権の侵害に問われるか−−などを議論している。会長の堀部政男・一橋大名誉教授は「技術の発展を阻止するような規制はすべきではないが、個人の利益を害していると判断されれば救済策を講じる必要があり、バランスが難しい問題」と話した。【須山勉】
【ことば】ストリートビュー
グーグル社がインターネットの地図検索サービスで始めた新機能。住所を入力するとその地点を地上2.5メートルから、周囲360度にわたって撮影した画像が映し出される。07年5月に米国の5都市でサービスが始まった。昨年8月には日本とオーストラリア、同10月からフランスとスペインの一部都市の画像も提供されている。
◇ストリートビューをめぐる昨年の主な動き◇
▼グーグル社へ対応の申し入れ
東京都杉並区=8月12日、11月7日
▼対応などを求める意見書の採択
東京都町田市議会=10月9日
札幌市議会=12月11日
奈良県生駒市議会=12月11日
大阪府茨木市議会=12月16日
奈良県三郷町議会=12月17日
大阪府高槻市議会=12月18日
神奈川県相模原市議会=12月20日
東京都狛江市議会=12月22日
広島県福山市議会=12月22日
▼サービス中止などを求める声明
福岡県弁護士会=12月1日
新潟県弁護士会=12月24日
※他にも大学教授やジャーナリストらがサービス中止をグーグル社に要請
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